最近、マイナー作品のレビューに突っ走っている気がしている。映画祭の作品が中心になってしまっているので特定の方々しかこのブログをみないのかと思っている。今更、ブログの方向性を変えることはできないのでマイペースに韓国映画の作品をアップしていこうと思っている。
本作品は、女性4人が主役な作品で男優優先で鑑賞する人には向かないかもしれない。でも、ストーリーとしては女性向けの作品に仕上がっているようにみえる。
ウララ・シスターズ
制作年:2002年
監督:パク・チェヒョン
出演:イ・ミスク、キム・ウォニ、キム・ミン、キム・ヒョンス
ジャンル:コメディ
鑑賞:韓国版DVD
ナイトクラブ「ララクラブ」を経営する三代目社長のチョ・ウンジャ(イ・ミスク)は、向かいの同業者のナイトクラブ「ネモクラブ」の社長キム・ゴマン(キム・ボソン)とは昔からのライバル関係だった。二代目社長の父チョ・マンギ(チョ・ウォニ)が経営していた頃は、ララクラブが繁盛し、ライバルのネモクラブは潰れかけていた。当時ララクラブの二代目チョ・マンギは、ネモクラブの二代目キム・イルドン(パク・イヌァン)に手をさしのべて経営を回復した。二代目チョ・マンギが他界したことで状況が変わってしまい、ララクラブはお客が来ない日々が続き、一方ライバルのネモクラブは大繁盛している。社長であるが厨房に立つウンジャ、喧嘩の強い従業員ミオク(キム・ウォニ)、歌手を夢みてクラブで歌うヘヨン(キム・ミン)、家族想いのキョンエ(キム・ヒョンス)の4人はクラブララを立て直すのにいろいろ策を練って実行していく。クラブララの張り紙を偶然みた歌手ユ・バンヒ(ハン・ボラム)が入ったことで一時繁盛したが、ネモクラブの社長キム・ゴマンに歌手バンヒを引き抜かれ、クラブララは振り出しに戻った。ネモクラブの社長キム・ゴマンの幾つもの妨害にクラブララの社長ウンジャは、どのように打開していくのか、クラブララは昔のように繁盛するクラブに生まれ変われるのかというお話。
監督は、『燃ゆる月』のパク・チェヒョン監督。出演者は、ララクラブの三代目社長ウンジャを演じるのは『燃ゆる月』『ベサメムーチ』のイ・ミスク、ララクラブの従業員ミオクを演じるのは『キスもできない男』『エキストラ』のキム・ウォニ、ララクラブの従業員で歌手ヘヨンを演じるのは『穴』『GO (日本映画)』のキム・ミン、ララクラブの従業員キョンエを演じるのは本作スクリンデビューのキム・ヒョンス、ネモクラブの社長キム・ゴマンを演じるのは『ロケットは発射された』『トゥ・カップス3』のキム・ボソン。
クラブララの社長ウンジャが、ミオク、ヘヨン、キョンエとともに経営難を乗り越えようと行動するが、毎度のことでネモクラブの社長キム・ゴマンが妨害工作にでて、クラブララを吸収しようとするのだ。ウンジャ、ミオク、ヘヨン、キョンエの4人がダンスミュージックに合わせて口パクでダンスをするのが見せ所にもなっている。
クラブララの社長ウンジャとライバルのネモクラブの社長キム・ボソンとの幼少時から描かれており、当時の両クラブの状況を示し、そしてウンジャが腕力でも昔から今でもボソンより強いのをみせている。現在、クラブララにはお客さんはゼロで従業員やクラブのバンドは暇している一方でネモクラブは大繁盛しているのだ。ネモクラブとクラブララの立地条件を考えて、ネモクラブの社長キム・ボソンはクラブララを吸収しようといろいろと仕掛けてきて潰そうとするのをウンジャらが対抗するのだ。
クラブララが繁盛しだすとお約束のようにネモクラブの社長キム・ボソンが妨害するのが繰り返し描かれている。バンドマンを引き抜きしたり、歌手バンヒを引き抜きしたり、ヤミ金からお金を借りるように仕向けたり、未成年の少年を使って法的にクラブララを苦しめ一ヶ月の営業停止にしたりとクラブララを潰そうする。このような妨害工作に立ち向かうウンジャ、ミオク、ヘヨン、キョンエの4人が秘策で応戦する展開である。
女優4人が主役の作品であるが、ストーリーは男性よりは女性受けするものになっている。ウンジャ、ミオク、ヘヨン、キョンエの4人が「ウララシスターズ」を結成して、4人とも歌は上手くないのに歌とダンスのショーをクラブララで行ったり、大会に出たり、営業に行ったりとする過程が力強くみえるのと応援したくなる気持ちにさせてくれる。4人の年齢もそれぞれ離れているところもよく、3人のよき姉貴的な存在のウンジャ、いつも言い争いをしているミオクとヘヨン、年下で生真面目なキョンエという人物関係もうまい設定している。ただ、ウンジャ以外の3人の人物背景をもう少し掘り下げて表現されていれば、ウンジャ同様に感情が入って行きやすくなると感じる。
【なめ犬的おすすめ度】 ★★