Sダイアリー
制作年:2004年
監督:クォン・ジョングァン
出演:キム・ソナ、イ・ヒョヌ、キム・スロ、コン・ユ、チャン・ヒョク
ジャンル:コメディ
鑑賞:韓国版DVD
愛を惜しみなく注ぐ女ジニ(キム・ソナ)は29歳。交際1周年の記念日、生涯四人目の彼氏チャン(チャン・ヒョク)に別れを告がれ、別れる時に「それが愛だと思ってたのか?昔の男に聞いてみろ」とひどい言葉を浴びせられた。今までに付き合ってきた過去の恋愛を日記帳に記してあるのを思い出す。グヒョン(イ・ヒョンウ)との初恋、大学時代に付き合ったチョンソク(キム・スロ)、社会人になって付き合った年下のユ・イニ(コン・ユ)。元彼3人に会って自分が愛されていたと信じて、現在の彼らに会いに行く。神父になったグヒョン、警察官になったチョンソク、イラストレーター志望のユ・イニは、冷たい態度でジニを追いはらう。ジニは、3人に過去の恋愛をお金に換算して請求書を出す。ジニは3人からお金を貰うことができるのかというお話。
本作がデビュー作のクォン・ジョングァン監督。主人公ジニを演じるのは『イエスタディ』『夢精期』のキム・ソナ、最初に付き合った彼氏グヒョンを演じるのはイ・ヒョンウ、二番目に付き合った彼氏チョンソクを演じるキム・スロ、三番目にに付き合った彼氏ユ・イニを演じるのはコン・ユ、四番目に付き合った彼氏チャンを演じるのは特別出演のチャン・ヒョク。元彼氏を演じる4人の俳優のキャスティングは、かなりよい選択だ。
大まかな内容としては、冒頭に四人目の彼氏チャンにふられることから、過去に付き合ったグヒョン、チョンソク、ユ・イニの3つの恋愛物語をフラッシュバックする。ジニは当時付き合っていた頃は幸せに満ちていた。一つ一つの愛に結末があり、それぞれの恋愛物語はおもしろい。そして現在、彼ら3人に会うことで、過去の恋愛の復讐劇が始まる。復讐劇がこの作品の一番おもしろところだ。過去の恋愛をお金で返済するという、なんとも奇抜な発想である。だが、ジニのそのような行為を完全に無視していた元彼氏たちに不幸が起こる。
神父になったクヒョンには、密かに家に忍び込みワインにバイアグラを混入して性欲をフルパワーにさせる。そして翌日からずっと股間が膨れ上がってどうにもならない。警官で結婚して子供もいるジョンソクには、車に落書きしたり、お下劣な写真を車に貼り付ける。周りからは冷たい目でみられる。マザコンのユインには、母が大事にしている愛犬を連れていったりとおもしろい復讐をする。
自分を捨てた男性達に過去の愛についてお金を請求するという内容。映画の世界であるから許されるのであるが、現実にはありえないことである。ジニみないなことを現実に実行してしまうと恐喝罪になるから。未婚同士であれば韓国では恋愛は自由だからだ。ジニの恋愛については、男側と女側の主張があるからどっちもどっちなんだが。どうせならチャン・ヒョク演じるチャンとジニの恋愛物語と復讐劇もみてみたかった。映画としてアイデアはよく、何よりも復讐劇が最高である。
【なめ犬的おすすめ度】 ★★★★