なせば成る
制作年:2000年
監督:パク・テヨン
出演:アン・ソクファン、ソン・オクスク、パク・サンミョン、
パク・チニ、チョン・ジュン、イ・ボムス
ジャンル:コメディ
鑑賞:日本版DVD
事業に失敗した父ビョンファン(アン・ソクファン)は、家を差し押さえられてしまい、家族四人(父、母、姉、弟)は貧民街のボロ家に引越した。家族四人は屋台で飲んでいて、父ビョンファンが車の後ろで立ち小便をしたところ、急に車がバックしてきたことで大怪我をして入院する。貧乏な家族は、母チョンリム(ソン・オクスク)が治療費をかき集め通帳を持って銀行にいくと、傷害保険に入っていたことで保険金が500万ウォンが振り込まれていた。これをきっかけに、家族四人で保険金のためにわざと怪我をして保険金を受け取る保険金詐欺をして家まで買うまでになった。そこに、保険金詐欺をしていると疑う保険会社の職員シム・チュンオン(パク・サンミョン)がやってきたが、家族四人たちは娘ジャンミ(パク・チニ)を使ってチュンオンと結婚する。さらに儲けようと遠い親戚で家族がいないグァンテ(イ・ボムス)を呼び寄せて一緒に生活して、グァンテを殺して5億ウォンの保険金を得ようと企んだ。果たして、保険金詐欺をする家族たちは成功するかというお話。
『戀風戀歌』のパク・テヨン監督第二作。主演者は、父ビョンファンを演じるのは『ナンバー3』『カル』のアン・ソクファン、母チョンリムを演じるのは『美しい季節』『我が心のオルガン』のソン・オクスク、娘ジャンミを演じるのは『囁く廊下』『SPY リー・チョルジン 北朝鮮から来た男』のパク・チニ、息子デチョルを演じるのは『アタック・ザ・ガス・ステーション!』『友引忌』のチョン・ジュン、娘婿チュンオンを演じるのは『新装開店』『反則王』のパク・サンミョン、遠い親戚グァンテを演じるのは『新装開店』『アナーキスト』のイ・ボムス。特別出演で、『クワイエットファミリー』に出演していた家族四人のパク・イヌァン、ナ・ムニ、イ・ユンソン、コ・ホギョンも出ている。コメディ作品であるのに出演者が意外に豪華なところがいい。
偶然起こった父ビョンファンの事故のおかげで保険金で味をしめたことがはじまりだ。どうのような怪我なら高いかを家族会議して研究する。その結果、母チョンリムはデパートで積荷の下敷きになり大怪我をし、娘ジャンミはボーリングで指を骨折し、息子デチョルはバッティングセンターでわざとボールに顔をぶつけて大怪我をして、それぞれ保険金を受け取る。テンポよく進むこの保険金詐欺の方法はみていておもしろい。保険会社の職員チュンオンの登場でさらに保険金詐欺に磨きがかかるのだ。親戚で家族がいない身寄りのない20代の人を探すのだが、その説明が「君の父の父の父の父の父の父の・・・・の腹違いの兄弟」といった途方もない遠い親戚を探すシーンは笑える。
母方の遠い親戚のグァンテがまた曲者で、元ヤンキーで学生時代の友人を家に招きいれてやりたい放題する。家族たちはグァンテを殺そうとジュースに毒を入れたり、木刀で殴っても、不死身なのだ。根負けして家族たちはグァンテにお金を払って出てってもらったが、グァンテは帰りの電車の中で大福を喉に詰まらせて死んでしまう。あれだけ痛めつけても死ななかったグァンテがあっさり死ぬのかよとツッコミを入れたくなるような笑いである。
最終的に、父ビョンファンと娘婿チュンオンがお互いに保険を掛け合い殺すのを伺っている。最後に登場する特別出演の家族四人がまたいいキャラを選択している。あの『クワイエット・ファミリー』の父、母、長女、次女なのだ。ある人物が全く同じようなことを特別出演の家族四人の餌食になるオチは最高である。『クワイエット・ファミリー』を鑑賞している人がこの作品をみると余計におもしろいと感じるであろう。
【なめ犬的おすすめ度】 ★★★