夢精期
制作年:2002年
監督:チョン・チョシン
出演:イ・ボムス、キム・ソナ、ノ・ヒョンウク、チョン・ジェヒョン
ジャンル:ラブコメディ
鑑賞:シネマコリア2003
性的好奇心いっぱいの中学生4人組みを主人公にした、ちょっぴりエッチでユーモアたっぷりな青春ラブコメディである。舞台はソウル五輪が開かれた1988年で、教育実習生として学校へやってきた美人のユリ先生(キム・ソナ)に恋する中学生4人組み。あきれた方法で教習生のみずみずしい体を攻略しようとする計画をたてたドンヒョンと友達らは、あげくの果てに誰が教習生と一夜を共にできるかという無謀な賭けをするようになる。しかし、学校で一番汚いことで有名な担任先生、別名「テリウス」ビョンチョル(イ・ボムス)。ビョンチョルが、過去のユリの恩師で、ユリの思春期時期の初恋であり、今でもユリは忘れられない人である。思春期で性的好奇心に目覚めた中学生4人組と、教育実習生の若くて美人のユリ先生(キム・ソナ)、ユリ先生が学生時代から憧れているビョンチョル先生(イ・ボムス)の奇妙な三角関係で起こるエッチなラブコメディなお話。
スター映画でないと興行的に苦しい韓国映画界にあって、イ・ボムスとキム・ソナが出演しているが、実際の主役は中学生4人組。それでもソウルでは70万人以上を、全国でも250万人を動員する大ヒットとなった作品である。
前半部と後半部と流れが変わっており、前半部は4人がユリ先生を狙っていたが、後半ではドンヒョン(ノ・ヒョンウク)が純粋にユリ先生に恋心を抱くようになったり、ユリ先生がビョンチョル先生に届かぬ想いを一生懸命伝えようとがんばったりするところで物語が面白くなっていく。それが、体育祭のシーンで決勝のリレーで勝てば逆転優勝出来、走者にはユリ先生と4人組。ユリ先生はビョンチョル先生のために、ドンヒョンはユリ先生のために、他の3人はドンヒョンへの友情とユリ先生のために走るのである。
中学生4人組みは、エッチなことに興味津々で、あふれる性欲を、エロ本、マクワウリ、鉄棒、カップラーメンなど、あらゆる手を使って処理する毎日がサルなみにバカ。バカバカしい下ネタで笑いをとっているが、そのさまが笑いを誘い、飽きさせない。"ポジ"という言葉は、日本語の隠語で女性器のことを意味しており、会話のなかに何とか何とかでポジとか、"ポジ"という言葉がでる毎に敏感に感じる中学生がいるので、それにも注目。
ユリが憧れのビョンチョルを「私のテリウス」、そして中学生たちが「キャンディ」と表現しているのは、日本アニメで有名な「キャンディ・キャンディ」から来ている。韓国にも日本と同じ時期に「キャンディ・キャンディ」が流行っており、ノスタルジィの象徴であること示すシーンがある。教育実習生ユリを演じているキム・ソナは、中学高校と日本で暮らしていたことで日本語はぺらぺら。2002年に韓国公開されたSF映画「イエスタデイ」で、その日本語を話すシーンがみられる。
【なめ犬的おすすめ度】 ★★★