氷雨
制作年:2004年
監督:キム・ウンスク
出演:イ・ソンジェ、ソン・スンホン、キム・ハヌル、ユ・ヘジン
ジャンル:冒険、ラブストーリー
鑑賞:韓国版DVD
アラスカ・アシアクの登山にアタックする山岳チームたち。カン・ジュンヒョン(イ・ソンジェ)、ハン・ウソン(ソン・スンホン)、イ・ミョングン(キム・ジョンハク)の三人は他のメンバーと別のルートにいた。そして、吹雪の中で岩壁が崩れ落ちて三人は遭難してしまう。ミョングンは行方不明、ジュンヒョンは足にひどい負傷、ウソンだけが動ける状態にいた。山岳経験豊富なジュンヒョンと海外遠征と遭難すべて初めてのウソンに冷たい雪山での孤立は恐怖であった。
ジュンヒョンはある女性の話をして記憶を探る。山岳チームの後輩で恋人であったキョンミン(キム・ハヌル)のこと。しかしその女性こそは、ウソンが幼い頃から想いを寄せていた友人キョンミンだった。暗い氷の洞窟の中、生きるために眠らず少しずつ二人はある記憶を手探りに生の最後の瞬間を過すお話。
本作品がデビューの30代の女性キム・ウンスク監督。出演者は、イ・ソンジェ、ソン・スンホン、キム・ハヌルと三者の主役級を揃えた。雪山の山岳映画が韓国映画でも本作品が初めてである。山岳人たちが劇中人物で、山を通じて何かを得てまた失う。そんな生命を脅かす雪山をテーマにしている。アラスカのアシアク登山中の出来事は現在の状況である。そして、ジュンヒョンとウソンの回想シーンは過去の状況である。そう、過去と現在を交互に描写する構成になっている。
山岳チームの先輩ジュンヒョンに惹かれてギョンミンは入部する。ジュンヒョンとギョンミンは付き合うようになるが、実はジュンヒョンに妻がいる。また、同時期にウソンは幼なじみのギョンミンに恋をするが、なかなか友達以上の関係に発展しない。ある出来事がきっかけでウソンは登山をするようになりアラスカのアシアク登山に行くことになる。ジュンヒョンの目線とウソンの目線でキョンミンの人物像を変えている。キョンミンはジュンヒョンに対しては背伸びしている感じがする。キョンミンはウソンに対しては仲のよい幼なじみとしてすべてをさらけ出している。二人で飲みに行っても、寮で二人っきりになっても堂々としている。ジュンヒョンとキョンミンが以前にアシアクの広告をみて、ジュンヒョンがこの山を登るとあることが叶うという伝説を言うが、ラストでキョンミンが同じことを語る。ここに伏線があったのかと最後に気づく。
過去はラブストーリー、現在は雪山でのアクションとサバイバルものになっている。キム・ハヌル演じるギョンミンが二人の男の運命をかえる。もう少し時間の尺を延ばして遭難した恐怖を感じさせるシーンを追加してはと思う。
【なめ犬的おすすめ度】 ★★★