イ・ギウとヤン・ドングンが出演しているのでレビューにした。
Vシネマが好きな人向けかな。
追跡者 SHOT GUN
制作国:日本
制作年:2012年
監督:室賀厚
出演:小沢仁志、白竜、中野英雄、イ・ギウ、ヤン・ドングン
ジャンル:アクション
鑑賞:日本版DVD
黒木組の組長である黒木(小沢仁志)は、韓国で覚醒剤取引で逮捕されて、刑務所で残りの刑期が終わるのを待っている。そんなとき、ソウル警察のチャン警部(ヤン・ドングン)とイム刑事(イ・ギウ)は、黒木に面会しにきて、ある取引をすれば恩赦で出所を早めることができると持ちかけた。それは、ケサン組幹部の梶(白竜)を殺すことが条件であった。黒木は、その条件を受け入れ刑務所を出所し、イム刑事が逃げないよう一緒に行動する。黒木は、イム刑事の隙をみて気絶させて、拳銃と財布からお金を抜き取り逃走し、自分のやり方で梶に接触しようと動く。昔の仲間を通して黒木は、梶の直属ボスのハンと接触して、新規で覚醒剤の取引を要望し、担当している梶と会いたいことを注げる。その夜、ビルの屋上で待ち合わせをした黒木と梶は初めて対面し、黒木は梶に後ろから銃を突きつけられる。しかし、梶は黒木にメッセージを残して姿を消してしまう。日本に戻った黒木は、自分の組へ行き、二人の子分と共に情報を共有する。現在、日本のホクト会と韓国のケサン組が揉めており、ホクト会幹部のサメジマ(中野英雄)は、ケサン組の組員たちと銃撃戦になり子分が撃たれた。暴力団同士が抗争中に、黒木はソウル警察から取引を受け入れて梶を消すことができるのかというお話。
監督は、『スーパーカブ』『湾岸ミッドナイト THE MOVIE』の室賀厚監督。
出演は、黒木組組長の黒木彰一を演じるのは『マッドドッグ』『仁義の聖戦~ジャックナイフ~』の小沢仁志、ケサン組幹部の梶達彦を演じるのは『ハードロマンチッカー』『仁義の聖戦~ジャックナイフ~』の白竜、ホクト会幹部のサメジマを演じるのは『ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲』『アウトレイジ』の中野英雄、ソウル警察のイム刑事を演じるのは『ウェディングドレス』『私たちの隣の犯罪』のイ・ギウ、ソウル警察のチャン警部を演じるのは『グランプリ』『パーフェクト・ゲーム』のヤン・ドングン、黒木と兄弟分の男を演じるのは『ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲』『劇場版 目を閉じてギラギラ』の哀川翔。
前半はソウル、後半は東京を舞台にして、ソウル警察と取引をして出所を早めた黒木は、ケサン組幹部の梶を殺害しようとするが、ケサン組とホクト会の抗争が絡み、黒木と梶の関係は変化していく。
前半はソウルが舞台になっていることで、韓国の暴力団ケサン組を中心にみせながら、ホクト会幹部サメジマが直接ケサン組の上層部に話しをつけにいったり、黒木が偽売人として売り込んだりして、全体像がみえてくるのだ。韓国語が中心になって少し日本語が混ざるような感じになっている。韓国人俳優の日本語台詞の発音が悪くて、何を云っているのかよく聞き取り難いときがある。恐らく逆もあって、向こうの人からすれば、日本人俳優が韓国語を話すと何を云っているのか聞き取り難いと感じるのであろう。
黒木と梶が初対面したとき、梶が黒木に「お前も捨て石に過ぎない」ということが終盤に連れてその意味がわかってくるのである。追う黒木と追われる梶をみせながら、徐々にお互いのことがみえてくるのである。初対面で何かをお互い感じるものがあって、それが中盤に登場する梶の妹のことに繋がるのかもしれない。
黒木が梶を追っていくうちに、日本で韓国料理屋を経営する梶の妹と接触して、梶の情報を知ることでソウル警察が何も語らなかったことがわかるのだ。黒木と梶が敵対するのか、連携するのか、このあたりが見所かもしれない。梶の妹という駒が出てきていることで、直ぐに先の展開がみえるけど。
中盤から終盤の展開はヤクザものとして定番の展開になっている。Vシネマのにおいがぷんぷんする内容なので、好き嫌いが分かれる作品であろう。俳優も小沢仁志、白竜、中野英雄と定番のメンバーで、そこに特別出演でおいしいところで登場する哀川翔、友情出演としてソウル警察の刑事を演じるイ・ギウとヤン・ドングン。
アクション面が弱いのと終盤に不可思議な出来事が起こる。終盤でみせる機関銃のように連射しているけど銃の構造上、どうみても無理でしょ。常識的で最低限の設定はして欲しいところだ。
【なめ犬的おすすめ度】 ★