5月下旬から6月中旬までに映画祭で観た作品のレビューは書き終えたと思う。短編ものばかりなので、韓国映画を扱うブログでもかなり偏ってしまった。暫くは長編が主になっていくだろう。
追記で、『淡い期待 (原題:愛の未来) (短編)』の出演者を書いた。
西遊記リターンズ
制作年:2010年
監督:シン・ドンヨプ
出演:キム・ビョンマン、リュ・ダム、ハン・ミングァン
ジャンル:アクション、SF
鑑賞:日本版DVD
時は二千年前、孫悟空(キム・ビョンマン)、猪八戒(リュ・ダム)、沙悟浄(ハン・ミングァン)、三蔵法師(ミン・アリョン)の四人は、貴重な経本を手に入れ故郷へ戻る道中に、魔物たちと戦うことになる。経本を狙う牛魔王(チェ・ホンイル)、白髪魔女(キム・ボム)、金角(ハン・ソンヨン)、銀角(ハ・ソン)と戦う孫悟空たちは、何とかやっつけて、彼らをヒョウタン型のビンに封印した。2010年、ユソン市の建設現場で天符経(チョンブギョン)が出土された。科学者たちは、発掘したものを解析し、孫悟空、猪八戒、沙悟浄、三蔵法師の遺物を発見して更なる研究を進める。同じ頃、博物館に侵入した四人の強盗団がヒョウタン型のビンを落として割れ、封印が解かれてしまい、牛魔王、白髪魔女、金角、銀角が復活する。牛魔王たちは、悪の力を結集した暗黒の星を地球に接近させて、世界中を混乱させる。悪さをする牛魔王たちを止めるため、科学者は孫悟空一行の遺物からDNAを抽出し、選ばれた子供四人に注射することで、孫悟空たち四人を現代に復活させる。孫悟空たちは、再び世界を救うことができるのかというお話。
監督は、『愛しのサガジ』のシン・ドンヨプ監督。
出演は、孫悟空を演じるのは『花嫁はギャングスター ソウルウエディング (原題:極道の妻3)』『キム館長 対 キム館長 対 キム館長』のキム・ビョンマン、猪八戒を演じるのは『平壌城』のリュ・ダム、沙悟浄を演じるのは本作スクリンデビューのハン・ミングァン、三蔵法師を演じるのは『トライアングル』『ウェディングドレス』のミン・アリョン、国家安全保障局(NSA)のキム博士を演じるのは『息もできない (原題:糞蠅)』『僕と彼女の借金戦争!(原題:不良男女)』のキム・ワングン、牛魔王を演じるのは『隣の家の男』『食客2 ~優しいキムチの作り方~ (原題:食客:キムチ戦争)』のチェ・ホンイル、白髪魔女を演じるのは本作スクリンデビューのキム・ボム、金角を演じるのは『僕と彼女の借金戦争!(原題:不良男女)』『私は父親だ』のハン・ソンヨン、銀角を演じるのは本作スクリンデビューのハ・ソン。
西遊記は、日本でも有名な小説のひとつになっている。簡単に説明すると明の長編小説で、唐時代を舞台にして三蔵法師が孫悟空と猪八戒と沙悟浄を供に、多くの苦難にあいながら天竺へ行って仏典を得て帰る話。本作は、登場人物を同じにして、現代に孫悟空たちや牛魔王たちが蘇って、地球の危機を救うといったものになっている。
ツッコミどころ満載な展開にまともにみていられず、子供向け映画として何でもありなんだと自分に理解させながらみるしかない。朝鮮半島に孫悟空たちの遺物が埋まっていたり、封印したヒョウタン型のビンが朝鮮半島にあったり、地球に向かってくる暗黒の星をなんとかするために世界の代表者たちを集めて国際会議をしたり、孫悟空たちのDNAを選ばれた子供たちに注射することで復活したり、何をしてもいいことになっている。
孫悟空たちと牛魔王たちとの戦いを主にみせ、一戦ずつみせるようにしている。金角との戦い、白髪魔女との戦い、銀角との戦い、牛魔王との戦い、そしてもう一人の敵。戦いも淡白な展開なので、激闘というのがないので呆気なく感じるであろう。孫悟空が主に戦って、それをサポートするのが猪八戒と沙悟浄、みているだけの三蔵法師といった形である。
三蔵法師を女とみて、男心丸出しの孫悟空と猪八戒と沙悟浄、いつの間にか三蔵法師と孫悟空の恋物語に突入していくのである。地球に接近する暗黒の星の消え方も呆気なかったり、いくらなんでも子供でも腹が立つだろう。
西遊記は、日本でもドラマを何度も放送しているから、日本人にも親しみがあるだろう。その時代に合わせてストーリーを組み立てたり、登場人物の設定であったり工夫していた。この作品に関して云えば、残念だらけで、子供でもそっぽを向くだろう。
【なめ犬的おすすめ度】 ★