テレビを当てよう! (原題:ドックTV) (短編)
制作年:2012年
監督:シン・ミニ
出演:ハン・テイル、ノ・ユナ、ペク・ジョンミン
ジャンル:ヒューマンドラマ、コメディ
鑑賞:SSFF&ASIA 2013
田舎で素朴に暮らす老夫婦の楽しみは、テレビドラマを観ることである。老妻クッチャ(ノ・ユナ)は、毎回観ているテレビドラマがあり、古いブラウン管テレビの画面が上下してしまい、壊れかけている。老妻クッチャはテレビを叩いて何とか観ようとしており、老夫ドック(ハン・テイル)にテレビがはっきり映らないことで文句を云う。ある日、老夫ドックは近所のスーパーに出かけ、そこでキャンペーンに応募し、二等に当選すれば32型液晶テレビが当たるため期待している。暫くして、老夫婦の家にキャンペーンの結果がわかり、見事に当選して、新しいテレビがやってきた。突然ハイテク化した老夫婦のライフを描いたお話。
監督は、『To make Yujin Yook a real man』『My young girl friend』のシン・ミニ監督。
出演は、老夫ドックを演じるのは『角砂糖』『桃色のイルカ』のハン・テイル、老妻クッチャを演じるのは本作スクリンデビューのノ・ユナ、青年ヨンジンを演じるのは本作スクリンデビューのペク・ジョンミン。
スーパーのキャンペーンで当選したのは、二等の「32型液晶テレビ」ではなく、一等の「iPad」であり、ハイテク機器をみたことがない老夫婦が四苦八苦していくのである。
知識のない老夫ドックは、テレビのアンテナケーブルをiPadの裏にテープで張り付けたり、おかしな行動をとっているのである。アンテナを動かしたり、無意味な行動ばかりしているから笑ってしまうのだ。しかもiPadは9.7インチ型の画面だから、テレビとして使用するのは老人の目からして厳しいだろう。スーパーに聞きにいく途中、近所の青年ヨンジン(ペク・ジョンミン)に会い、事情を知りiPadの設定をしてもらうのだ。
豚に真珠と思ったけど、青年の助けによって最適な環境を作りだすのである。田舎の古い家々が建っている中で、この老夫婦の通信環境が最新になっていく姿を面白く描いている。エンディングロール後、老妻クッチャがiPadでゲームをして遊んでいることから、iPadを使いこなしているオチがついている。
進化する電気機器、しかも身近なテレビもデジタル化になり、機械オンチな人や老人には住み難い世界になっているかもしれない。本作品の場合は、時代の流れに順応しているところをみせて、コメディ要素を絡めている。
【なめ犬的おすすめ度】 ★★