昨年のSSFF(Short Shorts Film Festival)で上映された作品。今月末からSSFFが始まるので待ち遠しい。昨年は、一日だけしか参加できず悔しい思いをしたが、今年は多く行けそう。
魔法のカメラ (原題:The Camera) (短編)
制作年:2011年
監督:イ・ジョンウ
出演:キム・カンヒョン、ユン・イナ
ジャンル:コメディ、ラブストーリー
カメラオタクのゴヌ(キム・カンヒョン)は、恋人ソニョン(ユン・イナ)と一緒に駅のプラットホームで言い争っている。ゴヌは、プラットホームの先頭まで行き電車をカメラで撮影しようとするが、ソニョンは他の場所に行きたくて、ゴヌが手にしているカメラの紐を引っ張る。本体を押さえるゴヌ、カメラの紐を引っ張るソニョン、そしてカメラは宙に飛び、地面に落ちて傷ついてしまう。ソニョンは、仕方なくゴヌを許し、二時に駅前で待ち合わせの約束をする。地面に落ちて傷ついたカメラは、その後奇妙なカメラへと変貌してしまう。ピントを合わせて、シャッターを切った瞬間、被写体が吸い込まれてしまう。この現象を知るゴヌは、カメラ撮影に夢中でソニョンとの約束の時間を忘れてしまう。果たして、二人の関係はどのようになるのか、そしてカメラはどうなるのかというお話。
監督は、本作デビュー作のイ・ジョンウ監督。
出演は、ゴヌを演じるのは『安くて良い家 (原題:短編)』のキム・カンヒョン、ソニョンを演じるのは『廃家』のユン・イナ。
ジャンル的には、コメディとラブストーリーがミックスした形で、テレビドラマ的なラブコメではない。コメディの部分とラブストーリーの部分が別々に描写されている。
カメラを落としたことで魔法のカメラへと変貌し、シャッターを切ると被写体が吸い込まれてしまうのだ。光化門広場での撮影であったり、南山公園での撮影であったり、観光名所などで摩訶不思議な現象をゴヌは魔法のカメラで撮影していくのだ。カメラはフィルム型で、現像して紙に写されたものもアイデアを入れて工夫している。
一方、そんなことを知らないソニョンは恋人と別れる決心をして、直接ゴヌと会うのだ。そこで、魔法のカメラでも「とらえられない」ものが分かるのだ。答えは簡単で、ゴヌとソニョンの双方の行動をみれば分かるようになっている。ラストもちょっとしたオチを入れているのも洒落ている。
【なめ犬的おすすめ度】 ★★