同い年の家庭教師
制作年:2002年
監督:キム・ギョンヒョン
出演:キム・ハヌル、クォン・サンウ、コン・ユ、キム・ジウ
ジャンル:ラブストーリー、コメディ
鑑賞:韓国版DVD
チキン料理屋の娘スワン(キム・ハヌル)は、大学二年生で学費のため家庭教師のアルバイトをする。気が短い性格のため、生徒にも恵まれず、すぐに家庭教師はクビになってしまう。母親は、スワンに家庭教師をやめるなら学費はないといわれ、母親から金持ちの生徒を紹介されて出向く。金持ちの高校生ジフン(クォン・サンウ)は、 喧嘩っ早くて、学校の番長ジョンス(コン・ユ)からいつも喧嘩を売られ、高校を二年留年し、アメリカに留学経験もあるが英語が書けず、成績も悪い教え子であった。同い年の大学生スワンと高校生ジフンは、先生と生徒の関係になる。ジフンは、勉強中にタバコを吸ったり、常にタメ口で話し、態度が悪くベッドに寝そべるため、スワンは呆れてしまう。ジフンは、唯一父親だけには頭が上がらず、家庭教師の話しも父親の命令であり、わざとだらけて家庭教師を自発的に辞めさせてきた。我慢して家庭教師を続けるスワン、横柄な態度のジフン、そして二人の周辺で相次ぐ事件が起こるお話。
監督は、本作デビュー作のキム・ギョンヒョン監督。
出演は、女子大生スワンを演じるのは『ドクターK』『リメンバー・ミー (原題:同感)』のキム・ハヌル、二年留年している男子高生ジフンを演じるのは『火山高』『ひとまず走れ』のクォン・サンウ、番長イ・ジョンスを演じるのは本作スクリンデビューのコン・ユ、ホギョンを演じるのは本作スクリンデビューのキム・ジウ、ジフンの母を演じるのは『われらの歪んだ英雄』『トゥ・カップス』のキム・ヘオク。
ジフンの学校生活をベースにして、番長ジョンスとの毎度の喧嘩、ジフンに惚れているホギョン(キム・ジウ)のつきまとい、これらがエスカレートしていく中、なかなか辞めない家庭教師スワンとの勉強が続き、何時しかスワンに対してジフンが特別な感情が芽生えていく。
ジフンが通う高校の番長ジョンスに狙われるが、何人束になろうとジフンはやっつけてしまう。事実上のナンバー1はジフンで、本人はそんなの興味がないのである。ナンバー1にこだわる番長ジョンスとの戦いは、最後まで続き、最後には面白い構図になっているのだ。ジフンに惹かれたホギョンが、しつこくつきまとうが、ジフンは彼女を相手にしないことで、彼女の怒りの矛先が家庭教師のスワンになるのだ。学校生活や放課後は、ジフンもスワンも理不尽な暴力に巻き込めれる形をみせている。
ジフンが、スワンに対して態度がどんどん変化していくところをラブストーリー要素とコメディ要素でみせている。序盤は、スワンのファッションセンスであったり、スワンをバカにした呼び方をしたり、胸の大きさであったりと結構失礼な態度で接しているのだ。携帯電話の着メロが二人とも同じなところは、同じセンスをしており笑いを誘う。ジフンの感情が変化していくところは、非常にわかりやすく描いているので、スワンの感情の変化をみていくほうが面白いかもしれない。ジフンとの賭けに負けて、大学の学園祭で踊ることになるスワンが意外にも男子生徒から受けがよくてジフンはやきもちを焼いてしまうのだ。何故だか、スワンがだんだんと愛しくみえるようになっているのだ。
終盤は、番長軍団が配達中のスワンを拉致ろうとしたり、ホギョンがチキン料理屋に出前をしてスワンを呼び出したり、スワンを助けようとジフンが駆けつけたり、ホギョンが雇った悪三人が戦いを挑んだり、と全員集合のような形になっている。気軽に笑える娯楽作品になっており、ラブストーリー要素も、コメディ要素も、アクション要素も及第点である。
【なめ犬的おすすめ度】 ★★★★