ドクターK
制作年:1998年
監督:クァク・キョンテク
出演:チャ・インピョ、キム・ヘス、キム・ハヌル
ジャンル:サスペンス
鑑賞:韓国版DVD
神経外科医のカン・ジミン(チャ・インピョ)は、現代医学では回復不能の幼い患者三人の脳外科手術を成功させた。神経外科長イ・ソンミョン(ユ・インチョン)は、ジミンの神業を信じることができず、手術現場を録画したビデオを外国に送り彼の秘密を探ろうとする。神経外科長イ・ソンミョンの姪で、医大でジミンと同級生だったピョ・ジス(キム・ヘス)は、ジミンが同級生だったために常に試験で二番の成績でおり、今では麻酔科医である。学生時代ジスは、ジミンがいつも試験で一番で、ジミンが同級生に勉強を教えたり、試験前にノートを貸したりして、クールな存在でいることで対抗心を持っていた。だが、解剖実習での出来事でジスはジミンに対して、対抗心から好奇心へと変化していった。ジスは、いつしかジミンを愛するようになっていた。ある日、病院に多形性膠芽腫を患ったオ・セヨン(キム・ハヌル)が入院する。セヨンは、担当医になったジミンに好意を持つようになる。ジミン、ジス、セヨンの恋の三角関係、カン・ジミンの衝撃的な真実が明らかになるお話。
監督は、『オクス湯』のクァク・キョンテク監督。
出演は、神経外科医カン・ジミンを演じるのは『アルバトロス』『チャン』のチャ・インピョ、神経外科長の姪で麻酔科医ピョ・ジスを演じるのは『ドクター・ボン』『チム』のキム・ヘス、患者オ・セヨンを演じるのは『バイ・ジュン さらば愛しき人』のキム・ハヌル、神経外科長イ・ソクミョンを演じるのは『チェンジ』『火の鳥』のユ・インチョン、医師パク・ホドンを演じるのは『ナンバー3』『娼』のパク・サンミョン、同僚医師を演じるのは『ファースト・キス (原題:キスしましょうか)』『チャン』のソ・テファ、後輩医師を演じるのは『悪い女 青い門』のアン・ジェモ。
病院を舞台にしたドラマであるが、単に手術をして患者を救う物語ではなく、ジミン医師の神がかりな手術の謎、そして主人公、同級生、患者の三角関係が絡む。だがジミンは、同級生のジスや患者セヨンに惚れられるだけで恋愛ドラマとは程遠い形をみせている。ジスの学生時代から現在までの出来事をジミンにスポットを当てた回想シーンになっており、ジミンへの想いをみせている。ジスの心の声で表現されていることが多く、今でもずっと片思いでいることをみせている。
ジミンとセヨンの関係は、あくまで医師と患者の関係を崩していない。セヨンがジミンに一方的に片思いをしているのである。だが、ジミンが出かけるところを尾行したジミンは、ジミンの秘めた力の秘密を知ってしまったり、温泉でジミンの裸をみてしまうのだ。セヨンは、それを脅迫の材料にして、ジミンとデートするのである。セヨンがジミン医師に出会ったことで大きく変化したところがあるのだ。
同級生のジミンとジスの関係もおもしろいところだ。学生時代は、試験で学力一位を争っていた二人で、ジスの方は嫉妬心で負けたくない気持ちが出ているが、ジミンはいろんな仲間に教えたり、ノートを貸したり、学力試験にはそれほど執着心がないところだ。学生時代はほとんど話していない回想シーンになっており、お互いが医師になってから、よく話すようになっていくのだ。
ちょっとしたヒントとなることを云うと、ジミンの母は巫堂であり、その力が遺伝している。患者の病気が治り、超常現象のようにみえる力であるが、それにはとても大きなリスクがあるのだ。もうひとつは、ジミン自身が霊に取り憑かれていることで、それが終盤の伏線になっているのだ。その謎は中盤でセヨンが知り、終盤でジスが知り、ラストに大きな決断が待っているのである。
頭蓋骨を割って脳を手術するシーンがあったり、外科手術を何度かみせていることで、医学作品としてもそこそこ楽しめるかもしれない。主人公のジミンだけが手術するのでなく、様々な医師が手術をするシーンがあったり、チームとして病院が回っているのだ。
一応、日本漫画「ドクターK」とは全くの別物と考えてほしい。
【なめ犬的おすすめ度】 ★★★