一週間連続更新頑張ろう個人企画。10年~15年ぐらいまえの作品を対象にしようと思う。
一本目は、シネマコリア2004で観て、韓国版DVDを購入して観て、日本の一般上映で観て、何故だかのめりこんでしまった。当時はかなり好きな作品のひとつであった。
春の日のクマは好きですか?
制作年:2003年
監督:ヨン・イ
出演:ペ・ドゥナ、キム・ナムジン、ユン・ジヘ
ジャンル:ラブストーリー
鑑賞:シネマコリア2004、韓国版DVD、一般上映 (日本)
スーパーの店員として働きレジを担当しているヒョンチェ(ペ・ドゥナ)は、小説家の父ジョンフン(オ・グァンノク)にひとりで育てられたせいか、見た目は可愛いらしいけど、発想や言動が突出しており、場の空気が読めず女性らしい振る舞いをしないで育ってしまう。ヒョンチェは、いつも男性にふられてばかりで、いつか素敵な王子様が現れることを信じ続けている。ヒョンチェは、幼なじみドンハ(キム・ナムジン)がおり、兵役を終えてソウルにきており、偶然二人は再会する。ドンハは、地下鉄の運転手として働いている。ドンハは、昔からヒョンチェのことが好きでいるが、友人としてしかみてもらえないでいる。ある日、ヒョンチェは入院している父に頼まれて、図書館で画集を借りにいった。その画集の中にメッセージを見つけ、それに繋がる別の画集を借りて眺めていたら、余白に美しいメッセージが書き込まれており、そのメッセージを書いた人が自分に宛てに書いていると思い込んでしまう。メッセージを書き込んでいる人のことを「ヴィンセント」と名づけ、ヒョンチェは何時しかヴィンセントに恋をしてしまい、ヴィンセント探しに夢中になる。告白は次の画集にも続き、ヒョンチェは誰かからの告白であるとロマンチック気分になり、その男性を探し出そうと決意するお話。
監督は、本作デビュー作のヨン・イ監督。
出演は、ヒョンチェを演じるのは『子猫をお願い』『頑張れグムスン』のペ・ドゥナ、ドンハを演じるのは『永遠の片想い (原題:恋愛小説)』のキム・ナムジン、ヒョンチェの同僚ミランを演じるのは『プライベートレッスン青い体験 (原題:青春)』『魚座』のユン・ジヘ、図書館司書チソクを演じるのは本作スクリンデビューのユン・ジョンシン、ヒョンチェの父ジョンフンを演じるのは『ワイキキ・ブラザーズ』『復讐者に憐れみを』のオ・グァンノク、キム・ユノを演じるのは『H』『純愛中毒 (原題:中毒)』のイ・オル、聴覚障害者ユン・ソノクを演じるのは『黒水仙』のイ・ジウォン、ヒョンチェの同僚ソヒを演じるのは『達磨よ、遊ぼう』のイム・ヒョンギョン、ヨンソクを演じるのは『あきれた男たち』のオム・テウン。
ヒョンチェは、同僚ミラン(ユン・ジヘ)の紹介でヨンソク(オム・テウン)とデートをするのであるが、映画で大胆な態度で鑑賞したり、食事のときの会話でも噛み合わず、二人のデートは失敗に終わってしまう。ヒョンチェは、ヨンソクとのデートがミュージカル風になって続いているが、それは夢であるのだ。ヒョンチェは、ミランに失敗したことを報告するなか、今度は同僚ソヒ(イム・ヒョンギョン)が新しく配属してきたユン・チーム長(キム・ホンピョ)に恋してしまうのだ。女性三人の恋模様を描いていることで、女性陣の心情というのがみえるようにしている。
ヒョンチェとドンハは、幼なじみの関係であるが、ドンハはずっとヒョンチェに片思いしているのである。ドンハがヒョンチェのスーパーで一緒に買い物しているところをミランに発見され、ミランがヒョンチェにドンハを紹介するように押してくるのだ。気の弱さがあるドンハは、押されるままにミランと良い仲になりつつ、ヒョンチェへの愛情が残っているのである。二人の仲が進行していくことで、ある出来事からヒョンチェが二人の間に参入する形になっていくのである。
図書館に通い続けて画集のメッセージを読み、恋に恋するヒョンチェの姿が可愛らしく表現されている。画集に描かれている絵の美しさ、その絵とメッセージとのコンビネーションがとてもよいのだ。芸術を意識しているのか、有名な画家が描いたものを使用していたり、バックミュージックも映像と調和していた。ヴィンセント探しのヒントは、序盤から始まっており、誰が誰に向けて送っているのかが面白いところなのである。実はヒョンチェに向けた愛のメッセージではなく、違うもうひとつのサブストーリーが存在しており、そこがこの作品の魅力でもある。
ヒョンチェの現実的の愛は、終盤になるに連れて気づきだすのである。ロマンスものの定番のように感じるところだが、ヴィンセントという存在が非常に大きな役割を果たしている。今までの作品と違って可愛らしいペ・ドゥナがみられて、彼女の魅力に惹かれてしまった。
【なめ犬的おすすめ度】 ★★★★