現在開催されている東京国際映画祭に今週通っています。韓国映画のレビューの更新速度が遅くなります。今回は、いつも優先して観ている「ワールドシネマ」部門と「アジアの風」部門の作品が乏しいので、かなり観る作品が少ないです。韓国映画の前売り券を購入したのは『U.F.O.』だけです。韓国映画のブログをしていますが、韓国映画を優先していないのが現状なところです。国際映画祭の場合はターゲットが世界になりますので、韓国映画の優先度が下がります。『第7鉱区』『哀しき獣 (原題:黄海)』はすでに日本での一般上映が決まっていますのでパス。以前この映画祭で上映された『玄海灘は知っている』も日程的に無理なのでパス。日韓合作が幾つかありますが、これも日本で一般上映が決まっているのでパス。パスばかりです。
今のところ、「ワールドシネマ」部門のドイツ映画『スリーピング・シックネス』がいいです。東京国際映画祭ではドイツ作品として扱っていますが、他の映画祭だとドイツ&フランス&オランダの合作もので紹介しています。劇中でフランス語を多く使用していたり、オランダ語も混じっていたので、ドイツ映画単作にみえないです。アフリカのカメルーンが舞台になっていて「眠り病」という奇病を研究している白人ドイツ国籍エボ医師、フランス育ちで両親がコンゴ国籍の黒人フランス国籍ヌジラ医師の二人を主人公にして、それぞれの葛藤をみせています。人間ドラマとしての苦悩が描かれていながら、「眠り病」をひっかけた演出を終盤にしており、ラストの解釈は観る側の思考力が問われる作品になっています。欧州作品が好きな人にはお薦めな作品です。
あとは、コンペティションでよかったアメリカ映画『デタッチメント』です。荒れた高校に赴任する臨時教師ヘンリーの視点を中心にして、教育現場の実態や教師の苦悩をそれぞれの教師たちの視点も交えながらみせています。ヘンリーの母への思い出をフラッシュバックのような形で常にみせて終盤に事実を明かしたり、ヘンリーと呆けている祖父とのトラブル、ホームレスの10代の少女との交流、教え子の太った女子生徒を精神的に支えたり、教師ヘンリーのプラス面ばかりでなくマイナス面を大きくさらけ出す人間的なところ、と見所がたくさんあります。出演俳優が有名どころを起用しており、内容もよいから日本で一般上映して欲しい作品です。
六本木に移動してから、年々盛り下がっている東京国際映画祭。今までアジア映画を多く選んで観ていましたが、最近は欧州映画の方にいっています。「インターナショナル・プレミア」とか「アジアン・プレミア」とかいいから、興味をそそるような面白い作品を多く出品するのが一番の要望です。あと、チケットの購入問題はなんとかして欲しいところです。