短編映画祭の「Short Shorts Film Festival & Asia」で鑑賞してきたこの作品。本作品は、A&J-Bプログラムに含まれており、いろいろな国々の5本の短編映画が同時上映された。原題と邦題が違うので、原題も記載することにした。ソウが童顔だから、この配役を演じても大丈夫だけど、主人公と同じぐらいの年齢の女優さんを使えばいいのに思ってしまう。主人公の感情を表情で表現している作品だから、ちゃんとした役者を使ったのかな。
生徒会長 (原題:私たちの学校代表) (短編)
制作年:2008年
監督:パク・サンジュン
出演:ソウ、ソ・ジャンウォン
ジャンル:ヒューマンドラマ
鑑賞:SSFF&ASIA 2010
ソナ(ソウ)は、成績優秀で容姿も良く模範的な学生である。学校の掲示板には、次の生徒会長を募集しており、ソナが当然のように生徒会長になるだろうと生徒たちや先生たちからも思われていた。担任のキム先生(ソ・ジャンウォン)は、数学の抜き打ちテストを実施し、ソナは一問だけ難問があり解けず、プライドが傷つく。テスト終了後、ソナは親友とテストの答え合わせをし、まだ習っていないあの難問を親友が解いていたことに驚き、ショックを受けていた。ソナは、傷ついた心をどのように消化していくのかを描いたお話。
監督は、本作が初短編作品のパク・サンジュン監督。
出演は、女学生ソナを演じるのは『My Son あふれる思い (原題:息子)』『ミスにんじん』のソウ、キム先生を演じるのは『許されざる者』『葡萄の木を切れ』のソ・ジャンウォン、ムン先生を演じるのはキム・ジョンヨン。
成績優秀な生徒ソナが、数学(幾何)で解けない問題があったことで、テスト中での衝撃と焦りをみせており、自尊心を失う姿を顔のアップショットによって表現している。更に、親友がその難問を解いていることで傷ついた気持ちを隠しながら、ソナは話しを合わせているのだ。
抜き打ちテストを受ける前と後に、ソナという人物がどのような生徒なのかを生徒たちとの掛け声や先生たちとの会話で真面目で勉強ができて信頼されている姿をみせている。このような背景があることより、キム先生はソナを職員室に呼び出してテストの採点を手伝わせるのである。
キム先生が席を外したとき、ソナは自分の解答用紙を探し出して解けなかった問題のところに鉛筆で解答を書き加えて、赤丸をつけてしまう。偶然にも、席に戻ろうとしていたキム先生がソナの行動をドア越しでみかけてしまい、ソナだから注意しようか躊躇してしまっている姿をみせている。キム先生は、人目があるから、ソナの気持ちを考えてその場では見過ごして、あとからソナに話しかけて自発的に白状させる状況を作るのである。
ソナとキム先生の心理戦が良く出来ており、言葉に間があったり、曇る表情であったり、ソナがキム先生に勘違いさせるような行動があったりと二人の間に走る感情をみせている。ソナの最後の台詞とその表情が非常に印象的であった。
【なめ犬的おすすめ度】 ★★★
【追記】 2010.06.20
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