確かこのVCDを400円ぐらいで購入した記憶がある。この値段であればそこそこ楽しめるが、1800円まで払って劇場で鑑賞したいかと聞かれれば「ノー」かな。日本語字幕が付くぐらいでこの値段の差はかなり大きい。チャン・ジン監督みたいに、韓国語の単語を絡めたような言葉遊びをする台詞はなかったと思われたので、英語字幕で十分だろう。ちょっと簡単にレビューを書いちゃったかな。
ガールスカウト
制作年:2008年
監督:キム・サンマン
出演:キム・ソナ、ナ・ムニ、イ・ギョンシル、コ・ジュニ
ジャンル:コメディ、アクション
鑑賞:韓国版VCD
小さな娘ユニを一人で育てており、幼稚園の送迎バンの運転手をする30代女性のミギョン(キム・ソナ)。無職の息子を世話しており、スーパーマーケットで働いている60代女性のイマン(ナ・ムニ)。未亡人で二人の息子を育てており、病弱な息子の手術費用に困っている40代女性のボンスン(イ・ギョンシル)。大きな夢を持ちながら、ゴルフのキャディーをしている独身の20代女性ウンジ(コ・ジュニ)。同じ町内に住んでいるが全く接点がない彼女たちは、ある事件によって四人は共に行動することになる。ミギョン、イマン、ボンスンは、資金作りのための頼母子講を始め、頼母子講を管理する美容師ヘラン(イム・ジウン)が詐欺師ホンギ(パク・ウォンサン)と一緒に掛け金を持ち逃げしてしまう。お金を取り戻すために、ミギョン、イマン、ボンスン、更にウンジを仲間にして、ヘランが出没する場所を調べて、渼沙里(地名:ミサリ)にある飲食店「濃霧」をつきとめて、四人は車で店に行って、店のまえでヘランを張っていた。一方で、頼母子講を指揮っている黒幕が、ヘランとホンギの行動に怒り、取り立て屋ジョンテ(リュ・テジュン)が二人の行方を探す。債権と現金を持ち去ったヘランとホンギから、四人の女性軍団がお金を取り戻すことができるのかというお話。
監督は、本作デビュー作のキム・サンマン監督。
出演者は、バツイチで幼い娘ユニと生活しているミギョンを演じるのは『Sダイアリー』『潜伏勤務 (原題:恋の潜伏捜査)』のキム・ソナ、無職の一人息子と生活しているイマンを演じるのは『光州5・18 (原題:華麗なる休暇)』『大誘拐 ~クォン・スンブン女史拉致事件~』のナ・ムニ、未亡人で二人の息子と生活しているボンスンを演じるのは『虹鱒』『特殊工作員-ヒドゥン・プリンセス-北朝鮮+韓国VS CIA(原題:口笛姫)』のイ・ギョンシル、独身のウンジを演じるのは『ヘンゼルとグレーテル』のコ・ジュニ(改名前:キム・ウンジュ)、詐欺師ホンギを演じるのは『光州5・18 (原題:華麗なる休暇)』『仮面』のパク・ウォンサン、美容師のヘランを演じるのは『復讐者に憐れみを』のイム・ジウン、取り立て屋ジョンテを演じるのは本作スクリンデビューのリュ・テジュン。
20代から60代の女性四人が主役で、持ち逃げされた自分のお金を奪還するために孤軍奮闘し、更なる人物がそのお金と債権を取り戻そうとすることで、三つ巴の争いになっている。
主役の女性四人には配偶者がいない形になっており、離婚して幼い娘がいる30代女性ミギョン、夫が登場せずどうしようもない無職の息子がいる60代女性イマン、夫が亡くなり二人の息子がいる40代女性ボンスン、彼女たちの助太刀になる独身の20代女性ウンジ、年齢層がバラバラという点において設定としては上手さがある。女性四人の各々の家族構成をみせながら、どのような問題をかかえているのかをみせ、どのようにして四人が結束していくのかをみせている。ヘランが現れるまで飲食店「濃霧」のまえで、野宿しながら話しをしていることで各々のことが分かってきて、結束していく過程を面白くみせている。
女性四人がヘランと戦い、ヘランを公衆便所に監禁してから大きくストーリーが傾いていくのだ。結束した四人が分裂していく姿をみせ、ボンスン、ウンジがそれぞれ別行動していくのだ。別行動に絡んでいるのが、ヘランとジョンテなので、どのようにして彼女たちの結束が分裂していくのかをみて欲しい。
中盤から終盤は、分裂していた女性四人が復活するところ、現金と債権の行方、犯罪事件と大きく動く展開になっている。派手なカーアクションや格闘アクションがあり、コメディ要素を要所に入れて、犯罪事件が絡んだドタバタ劇になっている。
幼稚園児を送り迎えする黄色いワゴン車でカーチェースして、おもいっきり追突したり、ボロボロになっていく車の姿が個人的には面白いシーンだった。ストーリーに捻りがなかったり、女性四人が抱えた現状の問題を表現するのに演出が今一歩であったりと不満があり、女優たちが潜在的に持っているキャラクターに頼りすぎているようにも感じられた。
【なめ犬的おすすめ度】 ★★