オー!マイDJ (原題:アンニョンUFO)
制作年:2004年
監督:キム・ジンミン
出演:イ・ウンジュ、イ・ボムス、ポン・テギュ、ピョン・ヒボン
ジャンル:ラブストーリー
鑑賞:韓国版DVD
小さい頃UFOの出現によってたった一度だけ自分の目を通してこの世界を見たことがある視覚障害者ギョンウ(イ・ウンジュ)。ギョンウは、UFOが出現したというグパバルという地方の町に引っ越して来る。相談所で働くギョンウは毎晩グパバル行き(154番市内バス)の最終のバスに乗って帰るが、そのバスにはラジオ放送「パク・サンヒョンとトゥィトゥィパンパン」が流れる。ギョンウは、失恋をしたばかりで痛んだ心を癒す優しいDJのメッセージに惹かれていった。その放送の正体は、バスの運転手サンヒョン(イ・ボムス)が毎晩家で一人で録音した放送でサンヒョン一人でメッセージも書いてDJをする自作自演の放送なのである。ある日、近所の路地で偶然にギョンウを助けたサンヒョンに、キョンウは友だちになろうと言いだす。サンヒョンは、いつも自分が運転するバスに乗車するギョンウを知っており、「パク・サンヒョンとトゥィトゥィパンパン」のことを話すので、嘘の名前、年齢、職業を言ってしまう。その名はパク・ピョング、職業は町内の電気屋オーナー。このようにサンヒョンは二つに顔を持つような生活をするようになり、いつしか視覚障害者なのだが強い女性ギョンウを愛するようになる。だが、ギョンウの前ではパク・ピョング(嘘のサンヒョン)という形で接している。そんな二人の間にギョンウの元恋人が現れる。ギョンウとサンヒョンの関係がどうなっていくのかというお話。
本作品がデビュー作のイム・チャンサン監督。出演者は、2004年に日本国内で上映された『永遠の片想い(原題:恋愛小説)』『ブラザーフッド』のイ・ウンジュ、日本では一般上映作品されていない『夢精期』『オー!ブラザーズ』など数々のヒット作に出演しているイ・ボムス。
視覚障害者ギョンウは、一人暮らしをして相談所で働く自立した女性である。小さい頃UFOが現れたときに一度だけ目が見えたことがある経験から、UFOが出現したというグパバルに引っ越して来た。町中の人々も彼女がUFOについて話すことで騒ぎが大きくなる。ギョンウとサンヒョンの出会いは初めはバスの運転手とお客であったが、近所での再会時に嘘をついたことで、その嘘が最後までひきずる。この嘘は「善意の嘘」が運んでくるハプニングの中で、ギョンウの心が少しずつ開いていく姿を描いているのである。肝っ玉が小さい男サンヒョンの愛情行為でもあり、優しさも含んでいる。だが、その嘘をサンヒョンは自らギョンウにある方法で打ち明ける。その後の二人の展開に注目して欲しい。そして原題『アンニョンUFO』からきているUFOの出現もカギになる。
気になるのはこのようなラジオを流す公共のバスが韓国に存在するのだろうか。実際に韓国の釜山と慶州でバスに乗車したことがあるが日本と変わらずで次の停車駅のアナウンスしかされなかったけど。まあ、映画だけの設定なんだろう。正直、サンヒョンが作ったあのラジオは他の客からすれば大迷惑なようにみえる。一番の被害者はサンヒョンの弟だけど。
【なめ犬的おすすめ度】 ★★