ぼくらの落第先生 (原題:先生、キム・ボンドゥ)
制作年:2003年
監督:チャン・ギュソン
出演:チャ・スンウォン、ピョン・ヒボン、ソン・ジル、イ・ジェウン
ジャンル:ヒューマンドラマ
鑑賞:シネマコリア2004
ソウルの小学校に勤務するキム・ボンドゥ(チャ・スンウォン)は、教育意欲ゼロの不良教師で、遅刻常習犯で授業はいつも自習ばかり、校長先生に毎日毎日怒られるどうしょもない先生である。生徒の親たちからの各種の金(裏金)の入った封筒を積極的に奨励していたことが、公になってしまいボンドゥは山奥の分校に転勤させられてしまう。そこは全校生徒5名の小さな学校。ソウルに帰りたいボンドゥは、全校生徒5名を他校に転校させ、分校を廃校に追い込もうと目論むが失敗してしまう。素朴な村での生活に次第に変わっていくキム・ボンドゥ先生のお話。
『面白い映画』のチャン・ギュソン監督第二作。アメリカのミラマックスが、韓国での公開前からリメイク権と北米の配給権を購入した作品。主演は、『風林高』のチャ・スンウォン。『風林高』でも先生役であった。
ソウルでは、どうしょもなくダメ教師であったキム・ボンドゥは、山奥の分校に転勤させられ今まで通りのことができない。全校生徒5名しかいないのに名前すら初めは覚えない。ソウルでやっていた生徒の親たちからの裏金の話を持ち出したがここでは通用しない。お金じゃなく、野菜、キムチ、果物などを配る。そのうえ少し変わったチェ年寄りが文字を教えてくれと無理を言い、キム先生の授業を受けさせてくれという。チェ老人は、字が読めないから息子からの手紙の内容がわからないからだ。キム・ボンドゥは、全校生徒5名を転向させ分校を廃校にする計画を立て、生徒の親に会いに家庭訪問する。思うとおりにいかないどころか、空回りするばかり。生徒たちにすかれているキム・ボンドゥは、徐々に純粋無垢な子供たちや素朴な村人たちと打ち解け、純粋な気持ちを取り戻していくのである。
コメディチックで面白いシーンは、体育の授業のサッカーである。キム・ボンドゥが分校に来たばかりの時、サッカーボールをあちこちに蹴り飛ばす想像をするシーンはめちゃめちゃ笑える。生徒役の子役たちは、田舎の子供を演じるためにわざわざ6ヶ月間本当に田舎に転校して田舎生活になじませた。監督及びスタッフは、撮影場所も江原道のド田舎のところで行ったために、本編同様に村まで行くのに苦労したらしい。
【なめ犬的おすすめ度】 ★★★