シルミド
制作年:2003年
監督:カン・ウソク
出演:ソル・ギョング、アン・ソンギ、ホ・ジュノ、チョン・ジェヨン
ジャンル:戦争アクション、ヒューマンドラマ
鑑賞:一般上映 (日本)
死刑囚のカン・インチャン(ソル・ギョング)は、他の囚人たちとともに孤島シルミド(実尾島)という無人島に集められた死刑囚ら31人。彼らはそこで、空軍のキム・ジェヒョン准尉(アン・ソンギ)の下、北朝鮮の金日成の首を取る秘密特殊部隊として訓練を受けることになる。訓練兵たちは、任務を終えれば社会へ戻れると信じて過酷な訓練をこなしていく。ついに実行する前日に出撃の夜がやってきたが、兵士たちが死を覚悟して海へ出た時に、政府からの命令によって暗殺実行は取り消される。北朝鮮との歩み寄りへ方針を変えた政府は、キム・ジェヒョン准尉に部隊の抹殺を命じられた。衝撃の実話を基につくられた男たちの生き様を描いた感動作。
出演者は、韓国俳優実力者のソル・ギョング、アン・ソンギ、ホ・ジュノなどを揃えた。パク・チョンヒ軍事政権下の1971年に実際に起こったシルミド(実尾島)事件を題材にした実話を基にした作品。今まで韓国政府が封印していた事実を拓いたのである。
死刑と決められた死刑囚らの生き残る道は、北朝鮮の金日成の首を取る秘密特殊部隊として訓練を受けることだけである。過酷な訓練、そして訓練中での事故死、死刑囚らは中には反発し合うこともあるが友情も生まれる。そして、秘密特殊部隊の指導員たちも、この死刑囚らに情を持つようになる。政府上層部からの命令でキム・ジェヒョン准尉は、秘密特殊部隊の訓練をしている31人を殺すことを命じられて困惑する。秘密特殊部隊を指導する中で意見は分かれた。キム・ジェヒョン准尉は判断に困り、部下のチョ中佐(ホ・ジュノ)らに相談するが結局は各指導してきた指導員が死刑囚を殺すようになる。その話を盗み聴いた死刑囚は、殺されるまえに逆に奇襲をしようと団結する。チョ中佐が本部に出張しいる間に死刑囚らの奇襲作戦は始まった。
壮絶な殺し合いも、共に苦しい訓練をしてきたものと指導したものだから情が生まれてしまう。その葛藤をうまく描かれている。キム・ジェヒョン准尉(アン・ソンギ)は、軍人としては情けないかもしれないが人間としては素晴らしくいい奴にみえる。キム・ジェヒョン准尉は最後までそうであった。秘密特殊部隊(死刑員ら)は指導員を壊滅して、標的を金日成から韓国大統領に変わっていく。韓国大統領に話をつけるためにバスジャックをしてソウルにある韓国政府館に乗り込む。しかし、その途中で韓国政府は彼等をゲリラと報道して完全に悪者扱いにされ、軍や警官に包囲される。そして、彼等らがとった最後の行動が感動をよぶ。最後は心を揺さぶるシーンである。
【なめ犬的おすすめ度】 ★★★★