夏の終わり (原題:私が捨てた夏) (短編)制作年:2013年
監督:ソ・ソンウォン
出演:ソン・ヨウン、チョン・ジェウン
ジャンル:ヒューマンドラマ
鑑賞:SSFF&ASIA 2014
仕事が忙しくやっと会えた彼女(ソン・ヨウン)と彼(チョン・ジェウン)。彼は、彼女に休暇をとってもらい一緒に過ごしたいが、仕事が忙しく彼女は休暇なんてとれない。食事の話しになり、彼は家で食べることを決め、二人で材料を買う。彼は部屋で横たわり、彼女は暑い夏の日に豚の三段バラ肉を焼く。食事が出来上がり、二人は一緒に食べる。その後、彼女は汗を垂らして食事の片付けをする。一方、彼は汗も出さずに涼んでいる。彼女は、彼の行動を横目でみて、不機嫌な顔をする。ついに彼女の堪忍袋の緒が切れるお話。
監督は、本作デビュー作のソ・ソンウォン監督。
出演は、彼女を演じるのは『恋の潜伏捜査 (原題:潜伏勤務)』『コ死:血の中間考査』のソン・ヨウン、彼を演じるのは『ソウル、耳と髪の毛 (短編)』『視線の向こうに』のチョン・ジェウン。
上映前に韓国アシアナ国際短編映画祭(AISFF)のプログラマーが舞台挨拶をし、韓国と日本の家事の違いを表現している作品と説明していた。この作品では、家事を女性にまかせっきりにして、男性は横になって何もしない。韓国の家事の事情を説明していたことで、この作品で登場する男女の行動が理解できる。
男女の会話の中でも、男性中心で物事を決めるところをみせている。彼女に休暇をとって欲しいとか、食事は外食か家で作るのか。彼女のムスッとした表情が終盤まで続いており、我慢している感情が上手く出ていた。
食事を家で食べることを決めたとき、彼が作るような言い方に聞こえたが、彼女が調理をしているので、会話として不思議な感じを受けた。家事についての会話が、男性が動くような言い方で、実際は女性が動いている。それぞれの国々に文化があるので、どれが正しいとかはないだろう。
カルチャーショックを受けるのは、冷凍室に残飯(生ゴミ)を入れているところである。これから食するものと生ゴミが一緒に入っている。この作品では、冷凍室が残飯であふれているのだ。仕舞いには、冷凍室を開けたときに残飯が床に落ちて、ビニールに入れていた残飯が床に散らばってしまうのだ。このことから、彼女の我慢していた感情が爆発していくのである。終盤に晴々した表情をしている彼女をみて、観ている側も同じような気持ちになるだろう。
【なめ犬的おすすめ度】 ★★