先月のゆうばりファンタ2013で上映された「ショートフィルムショーケース部門」が、昨日と今日だけ渋谷で特別上映された。全20作品で、韓国映画は実写一本とアニメ三本。アニメ三本のレビューは書きようがないのでパス、実写ものだけ書いた。全20作品では、日本の作品が良く出来ていた。四プログラム毎に構成して上映し、各プログラムで上映後に舞台挨拶があって、監督や俳優や作品に携わった関係者たちが舞台で話された。
未確認生命体 (短編)
制作年:2012年
監督:キム・ギョンジュン
出演:キム・ミンソン、イ・キヒョン、パク・サンホ
ジャンル:ホラー
鑑賞:ゆうばりファンタ2013 ショートフィルム・ショウケース部門 東京上映会
2008年、ミステリーサークルに所属していた部長のジヒョクが謎の失踪をし、ビデオカメラで謎の動画を残していた。失踪したとされる近辺を警察も捜索したが、見つからずにいた。2013年、元ミステリーサークルに所属していた五人のメンバーは、ジヒョクの残した謎の動画を探るため、ビデオカメラで撮りながら行動していく。彼らは、部長の失踪、謎の動画を解こうとしていくお話。
監督は、『マザーフッド (短編)』のキム・ギョンジュン監督。
出演は、キム・ミンソン、イ・キヒョン、パク・サンホ、イ・ヒョジュン。
現在の時間軸が主になっており、元ミステリーサークル部員の五人が、ビデオカメラを撮りながら、当時部長が失踪した近辺を捜索していき、謎の出来事が起こりながらその記録をビデオカメラに保存していく。映像は、元部員がビデオカメラで撮る映像になっており、POV(主観映像)になっている。
元部員のボムが中心となって行動しており、部長が残した謎の動画が何なのかを考え、失踪した近辺を歩きまわるのである。元部員が謎を追うことで、少しずつ何が起こっているのかがみえるようになっている。不自然な出来事としては、ジヒョクの恋人が登場するのであるが、突然消えたりと不可解なのである。そのような謎を中盤に残しながら、薄暗い場所を捜索するボムたちは、ある出来事に遭遇してしまうといった流れである。
自分たちの視点となるように、自分たちがビデオカメラで撮影した映像をそのまま使用して表現している。この手法は、ホラー作品で主流になってしまっている。元部員たちが、体験する出来事を直接的にみせ、撮影者の恐怖を盛り込んでいるのがみられる。
終盤の謎な出来事をどのように捉えるのかがポイントであろう。ホラー作品だから、どのように解釈してもいいのだが、観た限りでは素直に捉えていいのであろう。この作風なら短編が丁度よく、中編や長編にしてしまうとダラダラしてつまらなくなる感じがした。
不満な点としては、作品の内容ではなく、字幕をつけた人である。日本語字幕、英語字幕、韓国語字幕が表示される中、日本語字幕の文字数が多すぎて縦書き三~四行ぐらいのものが直ぐに消えてしまい、遅く切り換わる英語字幕の方を優先的にみていた。中盤ぐらいで、そのような現象はなくなってきたが、ラストの英語表示が出るところは日本語字幕もでないし、しかも直ぐに英語表示が切り換わって全部読めなかった。
【なめ犬的おすすめ度】 ★★