ホワイト (原題:ホワイト:呪いのメロディ)
制作年:2011年
監督:キム・ゴク、キム・ソン
出演:ハム・ウンジョン、ファン・ウスレ、メイダニ、チェ・アラ
ジャンル:ホラー
鑑賞:日本版DVD
ライバルの多い韓国アイドル界で、ガールズグループ「ピンク・ドールズ」がデビューした。バックダンサー出身で最年長のリーダーのウンジュ(ハム・ウンジョン)、ラップとダンスを得意とするシンジ(メイダニ)、最年少で整形中毒のアラン(チェ・アラ)、高音が苦手なリードボーカルのジェニ(チン・セヨン)の四人組みダンスグループである。ある日、四人は共同生活するために引越しをして、事務所でウンジュが古いビデオテープを見つける。収録されていたのは、お蔵入りになったと思われる作詩曲不明の歌を女性アイドルグループが歌っているものであった。事務所は、この曲を採用してピンク・ドールズの新曲として「ホワイト」と曲名をつけて売り出した。この曲で一気に売れるようになった彼女たちは、今度はグループ内でセンター争いで激化してしまい不仲になっていく。「ホワイト」のメインボーカルを誰にするか事務所側が考えてジェニを指名し、一層練習するジェニであったが、一人で夜のレコーディングルームで練習していたとき、多量の薬を服用して首吊り状態になっている姿をウンジュがみつけて一命をとりとめる。最年少アランをメインボーカルにしてPVを撮影しているとき、恐ろしい幻覚に襲われ、激しく転倒してしまい重傷にあう。メインボーカルを取るメンバーが次々と悲惨な事故に巻き込まれていく中、ウンジュはその原因が「ホワイト」を歌っていた過去に秘密があると疑う。ウンジュは、事務所のスタッフで元歌手のスネ(ファン・ウスレ)に相談して、曲に隠された秘密を一緒に探り始めていき真相をみつけようとするお話。
監督は、本作デビュー作のキム・ゴク監督とキム・ソン監督。
出演は、ピンクドールズのウンジュを演じるのは『静かな世の中』『コ死:血の中間考査』のハム・ウンジョン、事務所のスタッフのスネを演じるのは『ペントハウス エレファント』『愛の運命 -暴風前夜- (原題:暴風前夜)』のファン・ウスレ、ピンクドールズのシンジを演じるのは本作スクリンデビューのメイダニ、ピンクドールズのアランを演じるのは『復讐者に憐れみを』のチェ・アラ、ピンクドールズのジェニを演じるのは本作スクリンデビューのチン・セヨン、事務所社長のヨ代表を演じるのは『もし、あなたなら ~6つの視線~ (原題:六つの視線)』のピョン・ジョンス、室長のイ・テヨンを演じるのは『キル・ミー』『ごめんね、ありがとう』のキム・ヨンミン。
「ホワイト」でヒットしたピンク・ドールズは、メインボーカルの争奪戦が繰り広げられ、メインボーカルに任命されると大怪我をしていく怪奇な出来事が続き、それをウンジュ、スタッフのスネ、室長のイ・テヨン(キム・ヨンミン)がその発生原因を解明していくサスペンスホラーである。
年齢もばらばらで始めからビジネス仲間の関係であったピンク・ドールズは、新曲「ホワイト」が大ヒットしたことで、センター争いをめぐって大きく揉めるのである。ジェニ、アラン、シンジと三人連続で大怪我をしたことで、何故そのようなことが起こるのかを解明していくのである。共通してみえるのは、白い鬘をメインボーカルが被って歌い、何らかの幻覚をみてから事故が起きているのだ。
古いビデオテープの内容を映像機器に取り込んで、特定の箇所の波形データを取り出して、音声を解析することでヒントをみつけていくのである。サビを逆再生すると「顔がない」と歌っていたり、何らかのメッセージを残しているのがみえてくるのだ。さらに、ビデオテープに収録されていた歌手がチャン・エビンということもわかり、彼女は火災で亡くなっていることからウンジュとスネがお参りにいって供養するのである。
ホラー要素としては、大怪我をするジェニ、アラン、シンジの三人が体験する現象をみせている。大怪我をするまえに三人が共通して感じるのは体が熱くなるのである。血であったり、謎の手であったり、不思議な幻覚をみせることで恐怖シーンをみせている。ファンのポータルサイトには、謎の動画が投稿されており、女性のぼやけた顔と声が収録されて不気味なものになっている。ホラー要素と同時にサスペンス要素を盛り込んで、新曲「ホワイト」の原曲になっている十数年前の過去を調べて、あるメッセージを解読していくのである。
最終的にピンク・ドールズは残した形で、ウンジュが白い髪にしてソロ活動していくのであるが、まだ謎が解明されていなかったことで奇妙な出来事が起こってしまうのである。もちろんジェニ、アラン、シンジにも異変が起こり、奇怪な出来事に巻き込まれていくのである。最後までホラー要素を入れ込んでいることで、何が起こるかわからないというドキドキ感がある。
韓国音楽が日本に入り込んできたことで、それに便乗して日本で一般公開できた感じもする。韓国のアイドル歌手の人たちが出演していることで、音楽的要素をみせながら、映画としてサスペンスホラーとして纏めている。音楽シーンが意外と多く含まれており、音楽とダンスという点を押しているのがみられた。韓国音楽に疎いので、誰が本業の歌手の人なのかよくわからないところもあった。普通のサスペンスホラーとしてみると質が落ちる内容に感じられた。
【なめ犬的おすすめ度】 ★★