ガールフレンズ
制作年:2009年
監督:カン・ソッポム
出演:カン・ヘジョン、ハン・チェヨン、ホ・イジェ、ペ・スビン
ジャンル:ラブストーリー、コメディ
鑑賞:日本版DVD
29歳のソンイ(カン・ヘジョン)は、会社の飲み会が終わり、同僚のジノ(ペ・スビン)と二人っきりでひっそりとした酒場にいき、そこでキスをされて心を奪われてしまった。二人の交際は始まるが、ソンイは社内の女性社員から人気のあるジノをみてしまう。二人がデートしているとき、頻繁にジノの携帯電話に連絡が入る。ソンイはジノの携帯をみてしまい、ジンという名から連絡があるのを知り、後でその電話番号に電話をかけて直接会う約束をする。ソンイは、指定されたクラブに行くと、男たちに囲まれているあだ名がジン、本名オ・セジン(ハン・チェヨン)がいた。二人は、ジノについて話し、ソンイが酔いつぶれてしまい、目覚めたら自宅におり、クラブから自宅まで連れてきてくれた見知らぬ女性ボラ(ホ・イジェ)をみてびっくりする。さらに、ボラもジノのことを知っており、親しい関係のようにみえる。男に三股をかけられた三人の女性が、お互いの恋愛観をぶつけ合いながら友情を育むお話。
監督は、『どこかで誰かに何かが起こると必ず現れるホン班長』『ひまわり』のカン・ソッポム監督。
出演は、ハン・ソンイを演じるのは『うちにどうして来たの?』『キル・ミー』のカン・ヘジョン、あだ名ジンで本名オ・セジンを演じるのは『今、愛する人と暮らしていますか?』『グッドモーニング・プレジデント』のハン・チェヨン、ボラを演じるのは『ひまわり』『空を歩く少年』のホ・イジェ、ジノを演じるのは『グッバイ、マザー (原題:エジャ)』『飛翔』のペ・スビン、ソンイの親友ヒョンジュを演じるのは『私たちの生涯最高の瞬間』『ヨガ教室』のチョ・ウンジ、ソンイの母を演じるのは『素晴らしい一日』『キル・ミー』のキム・ヘオク、医師を演じるのは『影殺人』『渇き (原題:コウモリ)』のオ・ダルス、ソンイの同僚スギョンを演じるのは『仁寺洞スキャンダル』のチェ・ソンヒョン。
モテモテ男性ジノという共通点を持つ三人の女性ソンイ、セジン、ボラが女性の本音を語りながら、仲良くなっていく姿をコメディタッチに描いている。構成としては、メインの恋愛や友情といった世界が流れるなか、ソンイが医者(オ・ダルス)に説明しているシーンが挿入する形をとっている。このからくりは、ラストにわかる仕組みになっているので、ここでの説明は伏せておく。
ソンイがジノから感動するようなキスをされて恋に落ちていき、二人は社内恋愛をして徐々に仲が深まっていくのである。ソンイは、ジノに女の影がみえてきて、そこで出会うのがセジンとボラである。途中まで、セジンとボラが、ジノと真剣に付き合っているのかがはっきりみえない作りにしている。各々のシーンの会話から、それらの内容を拾っていき判断していくようになっている。全体の作りからすると付き合っている付き合ってないは問題ではなく、ジノという存在は三人の女性が出会うきっかけに過ぎず、主は三人の女性の成長をみせている。
一番引っかかるところは、ジノという男性が何故もてるのかがわからないのだ。顔と云われてしまうと悩ましいし、体型についても普通であるし、性格をみても飛びぬけているところがみえないし、仕事の能力があって惹かれるというようにはみえない。なんて不思議な設定なんだ。
ソンイには、古くからの友人ヒョンジュ(チョ・ウンジ)がおり、彼女の過激な言動に面白さをみせている。ソンイは、ヒョンジュだけ本音で話せる唯一の親友であるから、頻繁に会ってお互いの相談相手にもなっている。ソンイとヒョンジュの組み合わせとソンイと母(キム・ヘオク)の組み合わせのときには、結構大胆な発言が飛び出しているので、サイドストーリー的な扱いではあるが笑える流れをもってきている。
会話だけでなく、ソンイの心の声というのがある。彼女の本音の部分を引き出しているところであるが、終盤に近づくにつれて心の声と口から発する声が同じようなトーンになっていくのだ。仕事、恋愛、喧嘩、友情といった形をみせながら、一応は変化していく女性の姿をみせている。だが、様々な点において、消化不良な形で描いているので、世の女性たちが共感できるのかというと疑問に感じる。過去のこの監督の作風と違っていたり、出演女優の魅力も生かしきれていないのが残念である。
【なめ犬的おすすめ度】 ★