ダンス ダンス
制作年:1999年
監督:ムン・ソンウク
出演:チュ・ジンモ、ファン・イニョン、チュ・ウォンソン、ヤン・ドングン
ジャンル:青春ドラマ
鑑賞:日本版DVD
医学部の大学生ジュニョン(チュ・ジンモ)は、同じ医学部の友人ギチョル(ユン・ギウォン)と一緒にいて、他愛ない話しをして日々を過ごしていた。ギチョルに頼まれて飲み物を買いに自動販売機を探していたジュニョンは、講堂から音楽が流れてくるのが気になり覗き込む。ステージには、シューズを脱ぎ捨てた大学生ジナ(ファン・イニョン)が踊っており、ジュニョンはその姿に惹かれる。しばらく時間が経ち、ジュニョンは、ジャズダンス公演にいった帰りに地下鉄のホームでジナを目撃する。ジュニョンは、ジナの後を追い、ビルの一室にあるダンスーレッスン場に入っていくのをみる。ジナは、そこのダンスチーム「ステップス」に所属しており、団員募集の張り紙をみたジュニョンは、翌日勇気を出してステップスに加入する。団長ジェヒョン(チュ・ウォンソン)、スンド(ヤン・ドングン)、ソンジョン(ユ・ナヨン)、サンム(オ・サンム)たちは、初心者のジュニョンを受け入れ、雑用をさせながらもダンスの基本を教える。ジナは、下手でも黙々と練習する純粋なジュニョンの姿が気になり、屋上に呼んで個人レッスンをして、少し二人の間は親密になる。歌手のバックダンサーの仕事を依頼されたステップスは、テレビ局に呼ばれる。そこでトラブルを起こしてしまい、テレビ局側がステップスを出入り禁止にし、ステップスは解散する。そして、ステップスのダンサーたちは個々の生活に戻っていく。果たして、ステップスはこのまま消滅してしまうのか、ダンスへの情熱を持つジュニョンはどのような行動に出るのかというお話。
監督は、本作デビュー作のムン・ソンウク監督。
出演は、医学部の大学生ジュニョンを演じるのは『朴対朴』のチュ・ジンモ、ダンサーで大学生ジナを演じるのは本作スクリンデビューのファン・イニョン、ステップスの団長ジェヒョンを演じるのは『パク・ポンゴン家出事件』のチュ・ウォンソン、医学部の大学生ギチョルを演じるのは本作スクリンデビューのユン・ギウォン、ダンサーのスンドを演じるのは『チャン』のヤン・ドングン、ダンサーのソンジョンを演じるのは本作スクリンデビューのユ・ナヨン、ダンサーのサンムを演じるのは『三人の友達』のオ・サンム、ダンサーのヒジュを演じるのは『アルバトロス』『娼』のイ・ソミン。
親の云われるまま医大に進学して退屈な学生生活をしているたジュニョンが、ジナの踊る姿に魅了されてダンスを始めだし目的をみつける。現代舞踊に限界を感じて休学しているジナは、ステップスの一員としてダンス活動しながら、海外留学の準備をしているが、この選択でよいのか悩んでいる。
ステップスに所属している男女のダンサーたちは、団長ジェヒョンの指導のもとで練習しており、それなりに踊れている。その中に初心者のジュニョンが直ぐに皆と一緒に踊ることはなく、最初は窓拭きや床拭きなど雑用をしているのである。ステップスのムードメーカー的なカップルのスンドとソンジョンが、ジュニョンに指導したり、いろいろな話をすることで仲良くなっていき、ジュニョンのダンスへの情熱がみえたことで、ジナを含むメンバーたちが協力して基礎から教えていき、ジュニョンが上達していくまでの過程をみせているのだ。
ストーリー展開としては、単純な流れになっていて、解散したステップスを復活させるために、ジュニョンとジナが各メンバーに会って説得し、ステップスが再生するのである。公演も決まり目標ができたことで、ステップスの活動は活発していき、下手なジュニョンも特訓の成果もあり皆と一緒に踊れるぐらいまで成長していくのだ。
終盤は、ジュニョンとジナの将来がみえ、どの道に進むのかがみえるのである。青春ドラマが主の作品なので恋愛シーンは控えめになっている。全体像をみたら、若者たちの熱い魂を表現しているから、バランスを考えて作っているのがみえる。ダンスシーンは、代役ではなく俳優自身が踊っているため、その点は素晴らしい。ストーリーを追うより、躍動的なダンスシーンを中心にみていく方が面白いかもしれない。注意点としては、90年代後半のダンスということを考慮して観て欲しいところだ。
【なめ犬的おすすめ度】 ★★