ミステリー要素を含んだラブストーリーになっている。本作品は、3D上映した作品である。2Dでみたので、もしかしたら3Dでみたら違う感想になるかもしれない。2D鑑賞条件でのおすすめ度を記したから、暫定的なものになっている。
ナタリー
制作年:2010年
監督:チュ・ギョンジュン
出演:イ・ソンジェ、キム・ジフン、パク・ヒョンジン、キム・ギヨン
ジャンル:ラブストーリー
鑑賞:動画
彫刻家のファン・ジュンヒョク(チュ・ギョンジュン)は、10年ぶりに個展を行った。そこに高価な名品彫刻像「ナタリー」が展示されており、美しい女性の彫刻像である。ジュンヒョクは、彫刻像「ナタリー」が、実際に存在した女性のモデルなのか秘密にしている。そんなとき、個展の最終日に評論家チャン・ミヌ(キム・ジフン)がジュンヒョクの個展を訪ねる。ミヌは、彫刻像「ナタリー」のモデルがオ・ミラン(パク・ヒョンジン)であることをジュンヒョクに話し、彼女との関係を話すことで二人の男は感情的になる。言い争いをしている二人の間に入ったのが、現在ジュンヒョクのモデルをしている館長のパク・ヒョリム(キム・ギヨン)である。ヒョリムは、自分が「ナタリー」のモデルであると云って騒ぎを収めようとするが、ジュンヒョクは大否定することで逆にヒョリムが怒ってしまう。10年まえ、大学で美術講師をしていたジュンヒョク、そのときの生徒であったミヌとミラン。過去と現在の時間軸を描き、時空を超えた三人の男女が重なり合う愛と秘密を描いたお話。
監督は、『童僧』のチュ・ギョンジュン。
出演は、彫刻家のファン・ジュンヒョクを演じるのは『デイジー』『マイ・ボス マイ・ヒーロー3 (原題:商師父一体 頭師父一体3)』のイ・ソンジェ、チャン・ミヌを演じるのは本作スクリンデビューのキム・ジフン、オ・ミランを演じるのは『マラソン』『用意周到ミスシン』のパク・ヒョンジン、パク・ヒョリムを演じるのは『リアル・フィクション (原題:実際状況)』『夢精期』のキム・ギヨン。
現在軸で彫刻家ジュンヒョクと評論家ミヌが、「ナタリー」のモデルであるミランについて語りながら進行していき、女性ミランに対する二人の男たちの交錯した記憶について愛を描いたものである。10年まえの過去軸が主体となってミランを描いており、ミランという女性をジュンヒョクの視点とミヌの視点の両方をみせながら愛の形の違いをみせている。
ジュンヒョクの視点は、現代舞踊を専攻している学生ミランを舞台でみかけ、その美しさに魅了され、偶然にも自分の授業を受けている生徒であったことに驚きを感じているのである。ジュンヒョクは、授業後ミランにモデルを依頼することで、二人は親密になっていき、肉体関係を持つようになるのだ。ジュンヒョクにとっての愛は激情的なものになっている。
ミヌの視点は、ミランと同じ大学の生徒同士であり、片想い的なところから入っていく。ジュンヒョクと同様にミランが舞台で舞踊しているところに惹かれていくのである。ミランに積極的に話しかけるが、二人の距離はなかなか縮まらず、若い男性の感情をみせている。ミランの気持ちがジュンヒョクにあるのを知っていながら、ミランに対して献身的な愛情をみせている。ミヌにとっての愛は純粋なものになっている。
ミランの感情を描いているところがあり、そこが中盤から終盤であろう。ミランとジュンヒョクの会話の中でみられるところで、寂しい表情をするミランが印象的にみえるのである。ミランの決断というのが大きなところであろう。
とにかく、性交シーンが多いことでうんざりしてくる作品である。序盤の現在軸でみせているジュンヒョクとヒョリムとの性交シーン、終始過去軸でみせているジュンヒョクとミランとの性交シーンである。性交シーンだけでもかなりの尺をとっていることで、もう少し減らしても意図は通じるだろうと感じる。かなりしつこいぐらいに性交シーンがあるので、うんざりする人も出てくるだろう。そのためか、全体のバランスが悪くなっており、ミヌの感情のみせ方が非常に弱くみえてしまうのだ。物語としては、切ないものだから、違う形で表現していれば評価が変わるのにと感じる。
3D映画として上映されており、DVDも3D版と2D版の両方入った形で販売される。動きの少ないラブストーリーで、3Dにしても技術的メリットがないように感じる。実験的なところがみられるので、なんともいえないのが本音である。
【なめ犬的おすすめ度】 ★