TVドラマ「美男ですね」のチャン・グンソクが出演している作品。このTVドラマは面白かった。チャン・グンソクは、『楽しき人生 (原題:楽しい人生)』や『ドレミファソラシド』といった音楽もの作品に出演が多いけど、たまたまなのかな。
赤ちゃんと僕
制作年:2008年
監督:キム・ジニョン
出演:チャン・グンソク、ムン・メイスン、キム・ビョル
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
鑑賞:日本版DVD
裕福な家庭で育てられているが不良高校生ハン・ジュンス(チャン・グンソク)は、同級生の友人キソク(コ・ギュピル)とチュンソン(チェ・ジェファン)と一緒になって、他校の生徒と乱闘をしてしまい停学処分になる。建設会社の社長でジュンスの父(キム・ビョンオク)は、自宅道場で息子に気合を入れるが、全くきかないため、ジュンスの母(パク・ヒョンスク)と共に家出をしてしまう。苛々しているから気分を変えるためにジュンスは、キソクとチュンソンを呼んで夜にパーティーをやるために買出しにスーパーへ行った。そのとき、目をそらしていたら買物カートにウラム(ムン・メイスン)という名の赤ちゃんが入っていた。スーパーの相談窓口に話しにいったジュンスだが、赤ちゃんの横に手紙があり、ジュンスの子供であり育てて欲しいという内容であった。ジュンスは、赤ちゃんの母親を探そうとするが、多くの女性と関係を持っていたことで、誰の子供であるかわからないでいる。ジュンスに一目ぼれした天才少女の女子高生ビョル(キム・ビョル)は、ウラムの育児に協力してくれる。男子高生ジュンスが赤ちゃんウラムの世話に奔走するお話。
監督は、本作デビュー作のキム・ジニョン監督。
出演は、男子高生ハン・ジュンスを演じるのは『楽しき人生 (原題:楽しい人生)』『待ちくたびれて (原題:待つのが狂おしい)』のチャン・グンソク、赤ちゃんウラムを演じるのは子役のムン・メイスン、女子高生ビョルを演じるのは『ダンサーの純情』『多細胞少女』のキム・ビョル、男子高生キソクを演じるのは『愛を逃す』『暴力サークル』のコ・ギュピル、男子高生チュンソンを演じるのは『トラック』『宿命』のチェ・ジェファン、ジュンスの父を演じるのは『ファム・ファタール (原題:無防備都市)』『ここよりどこかへ』のキム・ビョンオク、ジュンスの母を演じるのは『マドレーヌ』のパク・ヒョンスク、ジュンスの担任の先生を演じるのは『タチャ イカサマ師 (原題:いかさま師)』『間違った出会い』のキム・ジョンナン。
突然自分の子供として現れた赤ちゃんを不良男子高生が育児をして、赤ちゃんに対して感情が入り込んでしまう。それをコメディチックに学園ドラマを混ぜながら進行している。
両親が家出したことで、一人暮らしをすることになったジュンスが、赤ちゃんと生活するのである。オムツを取り替えたり、ミルクを与えたり、さらに母乳を欲しがることで多くのママさんに母乳を貰いにいったりと奮闘するのだ。赤ちゃんの心の叫びをオヤジ声にしてコメディさをみせているが、これは邪魔である。エロオヤジ的なキャラを想定して、叫んでいるのであるが、あまり面白いとは思えない。赤ちゃんの表情をみることで、楽しめるものになっているからだ。
育児の手助けになったのは、沢山の兄弟がいる女子高生ビョルなのだ。IQが高く天才なことで学校に行かなくなったビョルは、ジュンスに出会い一目ぼれして、ジュンスの通う学校に行くのである。着包みのパジャマで出歩く不思議ちゃんなキャラのビョルが、この作品を盛り上げている。ジュンスに対して恋心を持つビョルは、いろいろと尽くしており、更にその状況を楽しんでいるようにもみえるのだ。
サイドストーリー的にみせているのが、ジュンスの父母とビョルの父母である。サウナで出会うこの四人は、ある繋がりがあり親密になり、そこで勘違いの増殖を引き起こして笑いを誘うのである。ビョルの父とジュンス、ジュンスの母とビョル、この組み合わせが根源になっている。
ジュンスの担任先生(キム・ジョンナン)が、怒りながらもジュンスの味方をしているのが、実に面倒見のある教師にみえるのだ。赤ちゃんを連れて学校にくるジュンスを他の先生のように頭ごなしに叱ることをしないし、ジュンスのことを理解しているからであろう。赤ちゃんの母親と勘違いさせる笑いのネタはしつこいけど。
中盤から終盤にかけて赤ちゃんの本当の母親と父親が分かり、赤ちゃんの今後の行方だったり、赤ちゃんに対して愛情を持つジュンスの心情をみせている。作品の形としてはちょっと珍しい作風であり、笑いのテンポもそこそこで、温かい内容になっている。
【なめ犬的おすすめ度】 ★★