つまらなかった作品を連発でアップした。いつものことであるが、評価の低い作品のレビューは書き難い。何がつまらないのかを書くことが一番なのかな。
オー!ハッピーデイ
制作年:2003年
監督:ユン・ハギョル
出演::チャン・ナラ、パク・チョンチョル、チャン・ハンソン
ジャンル:ラブストーリー、コメディ
鑑賞:日本版DVD
声優や養成学校の講師をしているヒジ(チャン・ナラ)は、正義感が強い女性である。ヒジの女友達3人が「Club Med」というリゾート会社の受付で困っており、お客がフリーターということで取り合ってくれず、企業の有力者向けの旅行に参加することができないでいた。そのとき友達を助けるためにヒジが話しに入ってきて、受付と揉めているときにこの会社のチーム長キム・ヒョンジュン(パク・チョンチョル)が対応しにきたときに、ヒジはヒョンジュンに一目ぼれした。ヒジはヒョンジュンのハートを射止めるために、まずはヒョンジュンが宿泊しているホテルに入り込んで手帳を盗みだし、ヒョンジュンの行動を知ることで先回りし、偶然を装って接触しようと試みる。だが、なかなかこの作戦は成功しないことで、ヒジの女友達が揉めた件を新聞社にたれこみ、インターネットの掲示板に書き込みしたことで「Club Med」にマスコミが押し寄せ、ヒョンジュンは白人上司からこの騒ぎを抑えることを命令された。ヒョンジュンが調べた結果、この原因はヒジの仕業であったことを突き止め、ヒジと直接交渉するがヒジの攻撃はやむことなく続くのであった。だが、ヒョンジュンはヒジを知っていくことで彼女が持っている内面に潜む魅力を感じだしてくる。果たして、ヒジは理想の男性に出会ったことで、彼の心を得ることが出来るのかというお話。
監督は、本作デビュー作のユン・ハギョル監督。
出演者は、声優をしているコン・ヒジを演じるのは本作スクリンデビューのチャン・ナラ、リゾート会社のチーム長のキム・ヒョンジュンを演じるのは『葉っぱ』のパク・チョンチョル、ヒジの父ジャングンを演じるのは『魚と寝る女 (原題:島)』『これが法だ』のチャン・ハンソン、ヒジの母ミスクを演じるのは『大変な結婚 (原題:家門の栄光)』『菊花の香り』のキム・ヘスク、ヒジの妹ソンジを演じるのは本作スクリンデビューのチョン・ダヘ。
一目ぼれした男性の気を惹こうとあらゆる作戦を実行する女性のドタバタ劇である。歌手チャン・ナラの個性を生かしたアイドル映画という一面がみられる作品でもある。
ヒジは、タバコを吸う高校生や援助交際する男性を叱ったりと正義感が強い性格であるが、一目ぼれした男性ヒョンジュンに対してはかなり滅茶苦茶な行動をして正義なんてあったものじゃない。序盤にこの対比をみせることでヒジの多重人格性をみせているようにみえる。恋に必死な乙女をこれでもかと大袈裟に強調しているがみえるのだ。ヒジがヒョンジュンを追い回すのは、一目ぼれという理由だけでなく、ヒジの両親からお見合い写真を渡されて結婚することをせかされていること、自分の力で結婚相手をみつけることが背後にみられる。
控えめな性格の父ジャングン(チャン・ハンソン)、ヒジよりも強烈な個性の持ち主の母ミスク(キム・ヘスク)、ヒジに振り回される浪人生の妹ソンジ(チョン・ダヘ)といった家族たちが、ヒジという存在を大きく引き立てているようにみえる。そして、ヒジには母ミスクの遺伝子がかなり影響しているのがわかるはずだ。
ヒョンジュンの背景があまりにも薄いのが弱点である。ニューヨークに恋人ヘリム(ピョン・ジョンミン)がおり、中盤あたりから登場してくるのであるが、二人の描き方が雑すぎる。ヒジを中心にストーリーを進めているからであるが、ヒョンジュンの心情をどこまで描くかでかなり変わってくる作品になるだろう。
終盤にちょっとした見せ場があり、ヒジとヒョンジュンにロマンティックな出来事が用意されている。その真相や真意をラフな感じてみてほしい。真面目に捉えるとおかしいことに気づくからだ。
【なめ犬的おすすめ度】 ★